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コールセンターにおいて顧客との接触状況を測定するためのキーパフォーマンスインジケーター(KPI)は不可欠ですが、日本のコールセンターでは一般的に応答率が主要な指標とされています。本記事では、応答率とサービスレベルの違いや、なぜ日本のコールセンターでサービスレベルがあまり活用されないのかについて解説します。業界慣行や測定の簡易性など、様々な要因が影響していますが、顧客体験の向上やリソース管理の効率化を図るためには、サービスレベルの重要性を再認識し、適切に活用することが求められます。
応答率よりサービスレベルを使いましょう
顧客との接触状況を測定する等、コールセンターではキーパフォーマンスインジケーター(KPI)は非常に重要です。一般的に、コールセンターの応答パフォーマンスを評価するために使用されるKPIには、応答率やサービスレベル(SL)があります。しかし、日本のコールセンターでは、サービスレベルがあまり使われていない傾向があります。以下では、その理由について説明します。
応答率とは
顧客の電話(の件数)に対して応答した件数の割合。従来から一般的に使用されてきた指標。
サービスレベルとは
顧客の電話(の件数)に対して、予めセンターで設定した合格ラインの待ち時間(20秒 等)内にオペレーターが応対できた件数の割合。
応答率とサービスレベルの違い
応答率ではどれだけ長時間お客様を待たせても「応答1件」として成功としてカウントされてしまうのに対し、サービスレベルでは迅速に応対(=合格ラインの待ち時間内に出る)しないと成功とカウントされないので、より顧客満足度にリンクしたKPIと言えます。しかし、日本のコールセンターではなぜか応答率が主要なKPIとして優先されることが多いです。
サービスレベルより応答率が優先されている理由
日本のコールセンターでサービスレベルがあまり使用されない理由には、以下のような要因が考えられます。
1.業界慣行
日本のコールセンター業界は競争が激しく、センターのKPIは出来るだけ良い数値で管理したくなります。その場合、とりあえず待ち時間が長くても応答さえすれば良い応答率は、管理や改善がよりやりやすく一般的なベンチマーク(90%以上)も達成させやすいです。
2.測定の簡易性
応答率は、単純に電話に対する応答した件数をカウントするだけで測定できるため、管理上の簡便さから優先されます。一方、サービスレベルは、特定の目標時間内に応答する必要があるため、測定や計算がより複雑になります。
まとめ
以上のような理由から、日本のコールセンターではサービスレベルがあまり使用されていない傾向があります。しかし、顧客体験の向上や効果的なリソース管理を実現するためには、サービスレベルの重要性を認識し、適切なKPIとして活用することが望まれます。