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コールセンター運営において、複数の参加者を対象にした「よろしいですか?」という問いかけが引き起こす問題点とその解決策について詳しく解説します。特定の参加者に対する問いかけが不明確になることで起こる混乱や、全員からの同時反応が求められる状況において効率的なコミュニケーションを実現するための具体的な方法を提案。名前を指定して問いかける重要性や、オンラインツールの活用方法など、多人数とのやり取りを円滑に進めるための実践的な対策を紹介します。
「よろしいですか?」という問いかけを1対複数でやっても意味なし!
コールセンター運営において、研修などで「よろしいですか?」という問いかけを、対象が複数いる場面で行うことが度々見受けられます。例えば、ウェビナーやグループミーティング中に、マネージャーが質問をすると、複数の参加者全員に回答を求めることになります。このような状況において、「よろしいですか?」という問いかけは実際のところ意味を成しません。
まず、「よろしいですか?」という問いかけの意味を考えてみましょう。これは本来、相手が1名である場合に、その人の同意や確認を得るための質問です。相手が1人であれば、具体的な名前を出したり、個別に声を掛けたりすることで、直接的な反応を得やすくなります。しかし、対象が複数の場合、この問いかけは誰に向けられているのかが不明確になり、結果としてどの参加者も反応しづらい状況を生み出し、全員が同時に答える混乱や、全員が黙ってしまう沈黙を招くことがあります。特にオンライン環境では、通信遅延や音声の重複が生じやすい為、このような状況は一層混乱を引き起こします。
さらに、この問いかけは、相手が本当に理解しているかどうかを確認するには不十分です。相手が「はい」と答えたとしても、それが本当に理解していることを意味するわけではありません。特に、複雑な情報や手続きについて説明している場合、相手が理解していないまま同意してしまうリスクがあります。
また、「よろしいですか?」という問いかけは、相手に対して一方的なコミュニケーションを強いることにもなりかねません。相手が質問や疑問を持っていても、この問いかけに対して「はい」と答えることで、そのまま進行してしまうことがあります。これでは、相手の満足度や信頼感を損なう可能性があります。
対処法
1.個別対応
この問題を解決するためには、まず誰に対して具体的に問いかけをしているのかを明確にする必要があります。例えば、質問する際には「田中さん、よろしいですか?」と名前を指定することで、田中さんが答えるべき質問だということが分かりやすくなります。これにより、他の参加者も自分が答える必要がないという安心感を持つことができ、全体のコミュニケーションがスムーズになります。
2.対象の明確化
次に、全員の合意が必要な場合には、別の方法を使うことが効果的です。例えば、全員に対して「何かご質問はありますか?」や「全員の意見を伺いたいのですが、どうでしょうか?」など、複数人からの情報を求めるための問いかけを使用します。このように聞くことで、参加者が順番に意見を述べることで、秩序だって進行することができます。
3.ツールの活用
さらには、オンラインツールの活用も大いに役立ちます。例えば、チャット機能やリアクション機能を利用して、各参加者がそれぞれのタイミングで反応できるようにします。チャットにコメントを書き込むことで、誰が何を考えているのかを可視化することができ、また他の参加者もそれを閲覧しながら自分の意見を形成することができます。リアクション機能では、賛成・反対や質問があるかどうかを簡単に示すことができ、全体の意思をスムーズに把握することが可能です。
以上のように、コールセンター運営において「よろしいですか?」という問いかけを1対複数で行うことによる問題点を理解し、その対策を講じることで、より効果的なコミュニケーションが実現できます。このような改善を行うことで、コールセンターの運営効率が向上し、顧客満足度の向上につながります。皆様のコールセンターにおいても是非、これらのポイントを見直し、より良いコミュニケーション環境を構築するための取り組みを進めてみてください。
この記事を書いた人
コンサルタント永久 圭一keiichi Nagaku
債権管理業務に計15年、コールセンター事業者2社(計13年)に在籍
SVや地方センターや在宅業務センターのセンター長等に従事後独立
保有資格
- DX推進パスポート
- JDLA Deep Learning for GENERAL (G検定)
- COPCリーンシックスシグマイエローベルト
- コンプライアンス・オフィサー・消費者金融コース
- ビジネスキャリア検定(労務管理)